香るコンクリート

23.06.2016
pattern-concrete-diptyque

「コンクリート」とは、濃縮した固形のフレグランスのこと。20世紀初頭、南仏の香水ブランド『モリナール』が仏語の “concréta” を商標登録し、そう呼ばれるようになりました。とはいえ、固形のフレグランスそのものは、約四千年も前から存在していました。この石けんのような香りのアイテムは、最古のパフュームなのです。

今日では液状の香水が一般的であるため、香料を溶かすアルコールが発明されるルネサンス以前のヨーロッパにおいてパフュームがどのようにして作られていたのかは、あまり知られていません。当時、花をはじめとする植物の香りには、花びらや葉、枝などを油、獣脂、樹脂といった油脂に浸して抽出する方法が広く用いられていました。その後、これらの混合物は焼き固められます。出来上がった軟膏状の塊は、ポマードやペースト、ブロックなど、さまざまな形に加工され、塗ったり燃やしたりして使われていました。

現代のソリッドパフューム(練り香水)の大部分はフローラルワックスです。脂肪性の物質は、不安定な香りを保存するのに優れているだけでなく、乾燥した肌のケアにも最適です。また、サンダルウッドやアンバー、スパイスといったオリエンタルな香りと相性が良いのも特徴です。

diptyqueのソリッドパフューム、いわゆる「コンクリート」は、香りの名前とブランドのロゴが刻印された黒一色の小さな楕円形の缶に収められています。香りの種類は、34 boulevard saint germain(34 サン・ジェルマン)、Philosykos(フィロシコス) Do Son(ド ソン)、L’Ombre dans l’Eau(ロンブル ダン ロー)、さらに季節限定商品として、Essences Insensées(エッセンス アンサンセ)をご用意しました。