冬を夢見て
23.02.2016冬を夢見て
冬になったら、薔薇色の列車に乗って出かけよう。
小さな客室には青色のクッション。
きっと心地良いことだろう。
そのやわらかな愛の巣に身をゆだね、
ぼくたち狂おしい口づけを交わすのだ。
きみは目を閉じる。夜の影に顔をゆがめる
車窓からの景色を見ないですむように。
そこにいるのは不機嫌な異形たち、
黒い悪魔や黒い狼の群れ。
やがてきみは何かが頬をかすめるのを感じる…
それは、ささやかな口づけ。
まるで狂った蜘蛛が首筋を這いまわるような。
首をかしげながら、きみはぼくに言う「見つけて!」
そして、ぼくたちは時間をかけて、その小さな生き物を探すのだ。
そいつはあちこち駆けまわるだろうから。
アルチュール・ランボー(1870年10月7日)