ロサ ムンディ

13.01.2017
Papier dominoté Rosa Mundi.

Papier dominoté Rosa Mundi.

キャンドル、オードトワレ、ソリッドパフューム、香りのオーバル…『Rosa Mundi(ロサ ムンディ)』コレクションの花が咲き揃いました。カシスやベルガモット、ライチで飾られたローズが、樹木のグリーンから紫色を帯びた赤へと、色調を変えながら香り立ちます。この香りを表現したオリジナルデザインのドミノペーパーも、コレクションにさらなる彩りを添えています。

diptyqueの新年はローズコレクションで始まります。天真爛漫に咲き誇るバラは、愛の花。いつでも初恋のように花開き、その世界は愛にあふれています。そう、『ロサ ムンディ』もまた。

『ロサ ムンディ』の香りは、ダマスクローズとセンティフォリアのマリアージュ。センティフォリアは、ガリカをはじめとする数種類の品種から作られたバラです。現在ではガリカが香水に使われることはありませんが、コレクション『ロサ ムンディ』はその一品種である“ロサ・ムンディ”にちなんで名付けられました。そしてもうひとつ、『ロサ ムンディ』の名から想起されるのは、ロサムンド・クリフォードと英国王ヘンリー2世の恋物語。事実と伝説の入り混じったこのお話については、また別の機会に…。

ダマスカス原産のダマスクローズは、トルコのイスパルタ山間部で栽培され、5月に収穫されます。一方、花びらが幾重にも重なることから「100枚の花弁を持つバラ(Centifolia)」の名を持ち、「5月のバラ」とも呼ばれるセンティフォリアは、フランスのグラース地方で栽培されています。 『ロサ ムンディ』のフレグランスは、そんな花盛りを迎えたバラの多彩な香りを再現しています。前述したカシスやベルガモット、ライチに加え、シダーウッドやムスク、ハチミツが、ヘッドノートからハートノート、ベースノートへと続く、さわやかで若々しく、穏やかでいて豊潤なローズの香りを引き立てます。

『ロサ ムンディ』コレクションを飾るのは、ドミノペーパー。ドミノペーパーとは、手漉き紙に手作業で印刷・彩色を施した伝統的な壁紙のことで、18世紀には本の表紙などにも用いられていました。この文化と工芸技術は、学究肌の職人や手工芸の専門家たち、彼らのアートに対する愛情がなければ、今日までに廃れていたかもしれません。パリを拠点にドミノペーパーを制作する『Antoinette Poisson(アントワネット・ポワソン)』の3人にdiptyqueが縁を感じたのは、当然のことでした。友人同士であり、アーティストやイラストレーターの顔を持ち、グラフィックデザインにも情熱を傾けた、diptyqueの3人の創業者たちによく似ていたからです。今回、アントワネット・ポワソンがdiptyqueのために手がけたドミノペーパーは、ローズのモチーフと幾何学模様の2種類。手刷りした本物のドミノペーパーのほか、同じデザインを印刷したレターセットをdiptyqueのブティックで販売、もちろん『ロサ ムンディ』のパッケージでも使われています。

キャンドルグラスの装飾にもこれらのデザインが採用されました。繊維の長い紙を通してろうそくの炎が漏れ、やわらかな輝きを放ちます。ソリッドパフュームは『Eau Rose(オー ローズ)』の香り。ヴィネグルトワレにも似た『ロサ ムンディ』のフレグランスウォーターには、『Eau Dominotéeオー ドミノテ)』の名が与えられました。ファブリックと相性の良いパチュリの香りが上品に漂い、ルームフレッシュナーとして、あるいはベッドリネンの香り付けなど、さまざまな使い方ができます。香りのオーバルは、クローゼットにしまったシーツの間に忍ばせておきましょう。

貴重な工芸技術による優美なビジュアルに、幅広い楽しみ方が可能なラインナップ。炎と水、そしてワックスで完成する『ロサ ムンディ』は、diptyque、イラストレーションと装飾芸術、そして香水作りの歴史が理想的に融け合ったコレクションです。