いっかくじゅう座・りゅう座・ほうおう座

30.10.2017
Collection Hiver 2017

Collection Hiver 2017

diptyqueでは毎冬、ホリデーシーズンを祝う3種のフレグランスキャンドルをご用意しています。2017年、皆様にお届けするのは、フィリップ・ボウドゥロックによる想像上の生き物が描かれた、優しい香りを漂わせるトロワ。ユニコーンのように純真で、ドラゴンのような輝きをたたえた童心が、フェニックスのように蘇ります。

90年代、ストリートアーティスト、フィリップ・ボウドゥロックは、街の壁に幻想的な動物を登場させ、魅惑的な世界を創りあげました。パリの国立装飾美術学校で学んだこのアーティストが、チョークを使って描いた巨大なフレスコ画。いつか消えてしまうこれらの作品は、道往く人々に魔法をかけました。目に見えないものが見えた子どもの頃の夢想が、無数の星を散りばめて表現した幾何学模様によって、鉱物や野菜、動物を形づくり、私たちの前にその姿を現す…。ボウドゥロックは、夢と現実を行き来する術を知っていました。彼の視野そして創造力は、広大な空間、星々と宇宙にまで広がっています。空想的な図案や不思議な動物たちの発明者であり、神話の精神を現代の都市に蘇らせるのです。また、ボウドゥロックは、パリの「パレ・ド・トーキョー」で行われている『ラスコ・プロジェクト』参加アーティストのひとりでもあります。

ホリデーコレクションの3種のキャンドルは、ボウドゥロック、そして星座をテーマにした彼の作品との出会いから生まれました。アーティストが星空に描いたフレスコ画には、神話に登場する3匹の動物の姿が。ユニコーン、ドラゴン、フェニックス…星座だけでなく、今度は3種のキャンドルとして、世に知られることになります。 

ユニコーンが描かれているのは、日本の針葉樹であり、キャンドルにふさわしい檜(“火の木”)の香りの『Forêt Givrée(フォレ ジヴレ)』。樹脂や針葉、ミントが調和した、緑色のキャンドルです。ドラゴンが躍動するのは、『Feu d’agrumes(フ ダグリュム)』。オレンジピール、アルプス山脈の柑橘類、スモークウッドやスパイスが寄り添う、情熱的で酸味のある香りです。金と赤は龍を象徴する色というだけでなく、これらの香りの成分が燃えることで放たれる香りイメージしています。『Larmes d’encens(ラルム ダルサン)』にはフェニックスが舞っています。ミルラ(没薬)やインセンス(練り香)、シナモンの香りで、キャンドルの色は青。この場合は“再生”の色というべきでしょうか?

宇宙規模で考えれば、星々の命は、まさにキャンドルが燃え尽きるまでの時間のように短いといえます。また、膨張する宇宙の中で人間の生命が小さな点に過ぎないことを鑑みると、私たちがすべてを理解するには、想像に任せるよりほかありません。そんな想像の世界で、古代の神話が思い起こされるのにも、不思議はないでしょう。尺度を変えてみれば、キャンドルの灯りが星々の香りとはどのようなものなのか、知ることができるかもしれませんね。