バレンタインデー

12.02.2017
Une "valentine"

Une "valentine"

バレンタインデー ジャン=クロード・カウフマンによる寄稿

バレンタインデーの歴史については知られていないことも多く、たとえば、15世紀初頭のフランスやイギリスで起こった“詩的な変容”はご存知でしょうか。イギリスには個人的な詩を綴ったラブレターでバレンタインデーを祝う習慣があり、宮廷から地方の農民まで、あらゆる社会階層に広まっていました。その後、詩には絵やイラストが添えられるようになり、間もなくしてバレンタインカードと呼ばれ、2月14日に贈ったり贈られたりする風習が生まれます。この小さなカードがもたらした影響は、聖バレンティヌスの物語を覆してしまうほど大きなものでした。 

一見わずかな変化にも見えますが、これは後に訪れる愛に満ちた文学的なムーブメントの前兆でした。一人ひとりが描いたバレンタインデーの夢は、4世紀を経てロマンティックな形で再現されるのです。ささやかな芸術作品、その心をとらえる言葉、リズム、色彩が、愛の世界へと誘い、たとえたった一日ではあっても、日常の重荷を忘れさせてくれました。もちろんこれらは多くの場合、すぐに忘れ去られてしまうただのカードに過ぎませんでしたが、19世紀になるとロマンスの芽は爆発的な流行へと発展し、大きく実を結びます。15世紀のそれはいわば、ためらいがちに踏み出した最初の一歩であり、機が熟すやいなや、たちまち拡大していきました。

バレンタインカードは、まずイギリス、そしてヨーロッパ中に、あっという間に広がりました。ハートやキューピッドで装飾されたカードは、よりいっそう創造的で豪華になり、バレンタインデーの新たな習慣として定着しました。2月14日は、だれもが詩人やアーティストとなって、愛する人を讃え、美と幸福の世界に浸る日となったのです。 

Tags: