コレクション「34」

25.09.2016
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コレクション『34』の魅惑的なラインナップをご紹介しましょう。美しく、愛らしいアイテムの数々。この限定コレクションは、パフューム、キャンドル、キャンドルホルダー、テキスタイルが揃った、いわばバザール。diptyqueのエスプリと呼応し、細やかなこだわりとともに仕上げられています。

シリーズ第3弾となる今回は、diptyqueの起源、そして、流通やスピード、量よりも、手間ひまを惜しまず、絆を重んじる…そんな献身的な職人たちと当ブランドの長きにわたるコラボレーションの物語を伝えています。 

diptyqueはどのようにして誕生したのでしょうか。その歴史は、芸術的才能に恵まれ、世界中の手仕事を愛した三人の仲間たちから始まります。彼らは夢見てきたショップを実現しようとしていました。他のどこにもない店。そこには、自分たちがデザインし、選りすぐりの職人たちによって製作されたテキスタイルと、旅をしながら集めた異国風のオブジェが並びます。こうした旅の途上で、彼らは多くの伝統工芸品の作り手たちと友情を築いていました。この美的感覚にあふれたバザールは、あっという間にシックなショッピングスポットとして知られるようになります。やがて三人はポプリを作り始め、フレグランスへと夢を膨らませます。店の裏手で調合された香りはキャンドルにも使われるようになり、後にはdiptyqueオリジナルのオードトワレに続き、数多くのパフュームが生まれました。直感を大切にする進取の精神が、彼らを成功へと導いたのです。

三人の仲間が始めたビジネスという手探りの冒険は、数十年を経て、新たな時代、新たな局面を迎えようとしていました。diptyqueはその頃、すでにいくつもの大陸に何十店舗ものブティックを展開していましたが、ブランドの精神を守りつつ、そこに新たなアイデアを加えたいと考えていました。この精神は、diptyqueの個性そのものともいえます。コレクション『34』は今日のdiptyqueバザール。受け継がれてきた精神に忠実で、人々やものづくりに対して誠実。真面目だけれど遊び心があって、彩り豊かで、いつもシック。そんなバザールの価値は、喜びを分かち合うその瞬間に決まるのです。

1960年代以来初めて、diptyqueのファブリックコレクションが復活します! モチーフは当時のままですが、テキスタイルそのものは違います。創業者の二人、クリスチャンヌ・ゴトロとデスモンド・ノックス=リート(もう一人はイヴ・クエロン)が当時デザインした「Pretorien(プレトリアン)」、「Paladin(パラディン)」、「Legende(レジェンド)」が、バッグ、化粧ポーチ、クッションカバーとして蘇ります。フランドル地方で1858年に創業された家族経営企業、リネンファブリックを専門とするリベコ社とのパートナーシップによるものです。

『Essences Insensées(エッセンス アンサンセ)』は、いつものように“ミル・フルール(千の花)”の伝統を受け継ぎながら、グラース産の5月のバラと共に再登場します。そして、新たに生まれたパフューム、『Kimonanthe(キモナント)』。2種類のフレグランスは、diptyqueが信頼を置くパートナー、ファブリス・ペレグリンにより創作されました。香水ボトルを手がけたのはヴァルテルスペルジェ社。フランスにある半自動式のガラス工房です。『Kimonanthe(キモナント)』の樹脂製のボトルストッパーは、クリスチャンヌ・ゴトロがデザインし、かつてdiptyqueのブティックで販売していたビーズネックレスの意匠や質感からインスピレーションを得ています。

『La Madeleine(ラ マドレーヌ)』と名付けられたキャンドルには、また別の物語があります。磁器製の容器は、コレクション『34』の過去のエディション『Paysages(ペイザージュ)』で陶製キャンドルホルダーを手がけたNGオフィシナ・デ・ポルセラナス社によるものです。キャンドルホルダーでは、別の役者たちも活躍しています。きらきらしたマラカイトがアクセントとなっているキャンドルホルダーは、ガラスを酸化させるという手法を編み出したイタリア人作家、マッシモ・ボルニャが制作。ガラス工芸の名工、ヴァンサン・ブレッドが作り上げたのは、熱してから膨らませたガラスにひび割れ加工を施したキャンドルホルダー。キャンドルの火を、ちらちらと瞬く暖炉の炎のように演出してくれます。他にも、ロラン・ノーグ(彼の会社「クレアノグ」はエンボス加工や刻印を専門としています)がデザインしたキャンドルホルダー『Origami(オリガミ)』、動物モチーフが木馬のように回る繊細で愛らしいキャンドルオブジェ『Carrousel(カルーセル)』など…。

さて、コレクション『34』の概要をお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。2016年秋、販売開始です。名工の手により創作された数量限定のさまざまなアイテムは、いずれも、それが最近の出来事であれ遠い日の思い出であれ、今も息づくdiptyqueの過去を反映しています。バザールは、いつの時代もやはりバザール!なのです。