イランイランの島

03.03.2016
© Givaudan

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アラビア語で月の島々を意味するコモロ諸島。そのコモロ諸島にあるモヘリ島で、diptyqueは2013年より、ジボダン財団と連携しながら、イランイランの花の栽培環境を保護する活動を続けています。

イランイランの木は生育に適した湿度の高い熱帯雨林で広く栽培され、取引されています。その花は香水製造になくてはならない貴重なものですが、長年に渡る無計画な栽培が深刻な環境破壊と利害の対立を招き、花のエッセンスの品質ばかりか、将来的には繁殖そのものが危ぶまれる状況にあります。

私たちの目的は、環境保護に配慮しながら、持続可能なイランイラン栽培環境を創出し、さらには精油の品質をも向上させることです。当然のことながら、このプロジェクトの推進には、現地の生産者や島に暮らす人々の協力が欠かせません。とくに重要なのが教育・文化プログラムで、植林、収穫、蒸留といった農業技術の指導やトレーニングに加え、経営学を含む一般教育まで網羅。“持続可能な開発”を前提に、長期的な計画を進めています。

diptyqueの主な取り組み:

—雑草の除去、イランイランの木が大きな傘の形になるような剪定。これにより、傷つきやすい花を竹籠に摘み取る作業が容易になるだけでなく、灌木を30年以上にわたって存続させることができます。

—アカシアをはじめとした、蒸留の際に使用する薪材の植林。土壌条件に合わせて雨期に実施され、2〜3年後に伐採されます。

—森林警備隊の設置、法制化、および監視作業の支援。乱伐を避けるため、周辺の村の代表者が監視員となり、植林地を警備しています。diptyqueとジボダン財団は、森林警備隊にふさわしいユニフォームを揃え、その存在の可視化・合法化をサポートしています。

2014年には1500本のイランイラン、4000本の薪材が植樹され、70着のユニフォームが警備隊員たちに配られました。

2013年に発売された「Eau Mohéli(オー モエリ)」の主役となっているのはもちろん、華やかに旋律を奏でるイランイランの自然な香り。ひとつの花から生まれた、一輪挿しを思わせるオードトワレ。イランイランのピュアなエッセンスを再発見し、ありのままの香りを改めて体感してください。